妻名義の土地に夫名義の建物を任意売却した場合

新型コロナウイルスの影響で、確定申告期限が1か月程延期されました。
昨年任意売却されたお客様は、確定申告が必要なため、数多くの相談が寄せられています。
妻や親が所有する土地に、夫所有の建物というケースがほとんどです。

税務署からのお尋ねがありました 妻には計算上利益が出るからです

昨年7月に、500万円(土地231万・建物269万)で自宅を任意売却しました。
取得費は473万円(土地11万・建物462万)でした。

 

土地は妻が所有、建物は夫が所有のため、妻は計算上利益が出ることになります。
「3,000万円特別控除」の適用条件を満たしていますので、お客様の確定申告を一緒に行いました。

税務署の指導を受けて 確定申告を一緒に行いました

まず、夫の分離課税の計算を行い、確定申告を行いました。

 

夫・・・269万円 - 取得費462万円 = ▲193万円

 

税務署の確定申告ホームページで利益がマイナスの場合、租税特別措置法35条1項にチェックを入れると、利益3,000万円特別控除の適用は受けられません、とメッセージが出ます。
そこで、夫の売買代金を(妻の)土地分を含めて500万円で入力し、強制的に利益が出るようにすると、+38万円となり、特別控除38万円が適用されます。

 

[訂正後] 500万円 - 取得費462万円 – 特別控除38万円 = 0

 

これで、3,000万円特別控除のうち38万円を使い、余った分を妻の確定申告に使うことができます。

夫の確定申告を添付して 妻の確定申告も作成しました

夫の3,000万円特別控除の確定申告書を添付して、妻の確定申告を行います。

 

妻・・・231万円 - 取得費11万円 – 特別控除220万円 = 0

ポイント

まず、夫の確定申告を行います。夫の建物の利益がマイナスの場合、土地代も含めて強制的にプラスにします。