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任意売却での譲渡損失は確定申告で返ってくるでしょうか?
- 2019.05.8 | トピックス
確定申告時期が終わり、昨年、弊社で任意売却されたお客様からの相談がありました。
購入価格3500万円の築12年の戸建を、1900万円で任意売却しました。
住宅ローン残高が2600万円あり700万円の債務が残ります。
弊社にて、税務署のホームページより譲渡損失の内訳書に入力して計算すると、任意売却による譲渡損失が840万円です。
自宅を任意売却して債務が残った場合、譲渡損失として確定申告したら税金は返ってくるでしょうか?
税務署のホームページにある適用要件は?
「5年を超えて保有する居住用財産を売却した際に、住宅ローンが残っており、かつ売却損が出た場合、この売却損を一定の限度でその年の他の所得から差し引くことができ、その年に差し引きしきれなかった金額については、翌年以降3年間繰り越して控除できる」という制度です。
この適用には、以下の要件をすべて満たすことが必要です↓↓↓
① 平成16年1月1日から平成31年12月31日までに譲渡の年の1月1日現在において、土地建物の所有期間がいずれも5年を超えていること。
② ①の譲渡にかかわる契約を締結した日の前日において、譲渡資産にかかわる住宅ローン等(契約における償還期間が10年以上のものに限る)の借入残高があること。
③ ①の譲渡にかかわる譲渡損失の金額があること。
④ 譲渡資産が、以下のいずれかに該当するものであること。
(1) 譲渡する年の1月1日において所有期間が5年を超える住居。
(2) ②の家屋で、その個人の居住の用に供されなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡されるもの。
(3) ①または②の家屋、及びその家屋の敷地となっている土地など。
(4) 譲渡する個人の①の家屋が、災害により滅失した場合においては、その個人が家屋を引き続き所有していた場合は、譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えることとなるその家屋の敷地の用に供されていた土地等。(ただし、災害があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡されるものに限る)
この制度を利用してお客様は確定申告を行いました。
一方で、資力喪失による譲渡所得については非課税とされますので、譲渡喪失が生じた場合でも、その損失はないものとみなされるのではないかとも考えられます。
今回の任意売却で、売却損は他の所得と損益通算されるかどうか、最後まで注視する必要があると思います。
税務相談室に聞いてみたところ
「居住用財産の譲渡損は、残債がサービサーに移って残っている場合でも、払っていないということには関係なく適用できる。」とのことです。
確定申告することで特例が使えますので、税務署のホームページを参考に、お客者と一緒に譲渡所得の内訳書を作成し、必要な書類をそろえました。
その後お客様ご自身で確定申告を行い、何事もなく受け付けていただいたとのことです。