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離婚した夫婦 土地建物の名義が違う場合の譲渡税

妻が所有の土地に夫名義で家を建てたあと 離婚して任意売却に

債権者から当社に任意売却の依頼がありました。土地と建物の名義が違うため、譲渡税負担がポイントとなりそうです。

もともと妻は親から相続した土地がありましたので、結婚して夫名義の家を建てました。
ところが、10年後に離婚し夫は家を出て行ってしまい、その後は妻と子供が一緒に住んでいます。
債権者の手配で夫に会うことができ、売却の依頼を受けました。

続いて妻からの依頼を受けるには、その前に妻の心配事をクリアする必要があります。
1つが土地の譲渡税対策です。

 

土地の譲渡税対策

[1] まずはじめに、3,000万特別控除が使えないかと考えました。
・売買代金は600万円(土地400万円・建物200万円)です。
・建物は当初の建築費が1500万円です。減価償却を差し引いても売却損なので、確定申告の必要がありません。
・しかし土地はもともと親の畑だったので、概算取得費を5%とすると76万の所得税がかかります。そうなると元妻は売却に同意しません。

自分が住んでいる家なので3000万特別控除が使えないかと考えましたが、建物は離婚した元夫の名義です。

 

[2] では、国税庁のホームページではどのような見解でしょうか?
「家屋の所有者と敷地の所有者が異なる場合であっても、次に掲げる要件のすべてを満たす場合には、土地の所有者についてもこの特例が適用できます。」この場合、元夫の家屋の譲渡益から3,000万円の特別控除を差し引いて、引ききれなかった部分は、元妻の土地の譲渡益から引けるように取り扱われています。
①その家屋と敷地が、同時に譲渡されたものであること。
②その家屋の所有者とその敷地の所有者とが、親族関係にある者であること。
③その敷地の所有者が、家屋の所有者と生計を一にしており、かつ、その家屋に同居していること。
☞ 結論:離婚して別居しているので、②と③が満たされず、3,000万特別控除は使えない。

 

[3] 資力喪失した場合の譲渡所得に該当するかどうか?
資産を譲渡して利益が発生する場合、一般的には所得税が課税されます。
しかし任意売却においては、その全額が返済に充てられるので課税されない場合があります。次に掲げるように、債務者が資力を喪失し弁済の能力がないと判断された場合、その資産の譲渡については課税が免除されます。
①強制換価手続き(滞納処分・強制執行・担保権の実行による競売・破産手続等)による資産譲渡である場合。
②任意売却であっても、譲渡時点で①と同様の状況にあり、債務超過であること・競売が避けられないこと・譲渡代金の全てが返済に充てられていること。

結論として、今回のケースは「資力喪失した場合の譲渡所得」に該当し、非課税ということになります。
この規定が設けられたのは、本人の意思に基づかない譲渡であること、譲渡代金の全てが返済に充てられ自己の利益がないこと、徴税が難しいこと等によるものとされています。

(※ 記事の内容は、平成30年の法令・情報に基づいています。)

 

ポイント

土地を任意売却することに問題がないことを、元奥様にご説明して、売却依頼を受けました。
これで土地建物ともに売却依頼を受けましたので、任意売却を開始し、すぐに買い手がつきました。
なお、債権者から引っ越し代を出していただき、スムーズに明け渡しができました。

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