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任意売却と譲渡所得税

こんにちは。代表の中島です。

 

熊本地震からあっというまに1年が過ぎました。

3月に確定申告があったばかりなので、今回は確定申告にまつわる任意売却の譲渡所得税の事案について紹介します。

 

熊本県荒尾市のAさんは、妻B子さんの土地に2500万円のローンを組んで家を建てました。ところが、その後しばらくすると夫婦仲が悪くなり、離婚して家を出たためローンの滞納が始まりました。そしてまもなく保証会社から競売を予告されましたので、Aさんから相談を受けた私はすぐに保証会社に連絡してもらい、任意売却を申し入れ、買い手が見つかりました。しかし大きな問題がありました。それが譲渡所得税です。

 

土地の所有者が妻、建物の所有者が夫で任意売却になった場合の課税はどうなるでしょう。

家の売却価格は1800万円(土地400万建物1400万)で、住宅ローン残高は2500万円です。

Aさんは売却損なので税金は発生しません。

ところがB子さんは親の土地を相続しています。

相続なので取得費は土地代金400万円の5%の20万になり、380万円の所得が発生します。

譲渡税はその20%の76万円です。

 

譲渡益が出ていますので、居住用不動産の特別控除が適用できないかと検討しました。土地所有者と建物所有者が別の場合でも、居住用不動産の特別控除が適用される場合の要件は

①その家屋と敷地が、同時に譲渡されたものであること。

②その家屋の所有者とその敷地の所有者とが、親族関係にある者であること。

③その敷地の所有者が家屋の所有者と生計を一にしており、かつ、その家屋に同居していること。

となります。別居している場合、居住用不動産の特別控除が適用されません。

 

B子さんが譲渡所得税を払わないためには、そのまま競売にするという方法もあります。

競売の場合、税金を支払う能力がないと見なされて、譲渡所得税の負担はしなくても良いのです。

ただ、競売で安く落札されると、残った債務が増えてしまいますので抵抗があります。親から相続した土地を競売にしてしまうことは、どうしても避けたいと考えていました。

 

そこで当社は、売却代金の全額を債務保証の弁済にあてる「保証債務の履行」であれば税金はかからないと説明し、AさんB子さんとともに競売を避けて任意売却を実行しました。

 

保証債務の履行とは、保証債務を履行するために土地建物などを売った場合には、所得がなかったものとする特例で、本来の債務者が債務を弁済しないときに保証人などが肩代りをして、その債務を弁済することをいいます。

 

確定申告では、証拠資料を集めて譲渡所得の確定申告を税理士に見てもらい、次の書類などを添付して申告致しました。

①保証債務の履行のための資産の譲渡に対する計算明細書

②担保に提供した物件の登記事項証明書

③売買契約書のコピー

④譲渡代金の領収書

⑤夫への求償権が行使不能となった経緯

 

このように、任意売却で譲渡税がかかる恐れがある場合もありますので、当社としては最後までフォローし、お客様の目線に立ったアドバイスに努めております。

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